難破船の三人の乗客 ~リスクの考え方を学ぶ
大事なポイントなのですが
タルムードとはユダヤ教の聖典なのですが、聖典として認められるのはあくまでヘブライ語で記述されたもののみとなります。
他の言語に翻訳されたものについては意味を正確に伝えていない可能性があるとして聖典とはみなされません。
難破船の三人の乗客
ある時、帆船が嵐に遭って難破した。
流れ着いたのは、フルーツのたわわに実る島であった。
1人の乗客は、いつ修理が終わって船が出てしまうかわからないので、取り残されたら大変だと、船から降りなかった。
嵐に遭い、何日も空腹だったが、船が出てしまう心配のほうが先に立ち、空腹を我慢することにした。
もう一人の乗客は、島に降りたが、船が見える範囲内でフルーツを食べ、船の修理が終わる様子を見て、急いで船に戻って来た。
たらふくは食べられなかったが、なんとか空腹を満たし、フルーツで水分補給もできた。
もう一人の乗客は、そんな簡単には船の修理はできないと思い、島の中まで入ってフルーツをたらふく食べた。船はみえなかったが、まだ大丈夫と次から次へとフルーツを食べた。
お腹いっぱいになって戻って来たら、船は出港した後で、島に取り残されてしまった。
まったく船を降りなかった乗客は、その後の航海に耐え切れず死んでしまった。
島に残された乗客も、無人島から脱出できず、そこで一生を終わった。
おしまい
適正なリスク計算
冷静に計算できる人が生き残る
リスクを「大・中・小」に分類して対処
この話では、物事のリスクを考える方法が書かれています。
三人の乗客はそれぞれリスクを考えて行動した結果の物語となっています。
- 一人目は船が出ることを恐れすぎ、リスクを大きく考えて船から降りなかった。
- 二人目は船が見える範囲で行動し、出港には間に合うように行動した。
- 三人目は船が見えない位置で行動し、気がついた時には船が出た後だった。
一人目はリスクが大きいと判断した結果、空腹でその後の航海に耐え切れませんでした。
三人目は楽観的に考えすぎた乗客も結果不幸な状況になってしまいました。
”空腹のリスク”と”取り残されるリスク”両方のリスクを計算し、
正確な状況判断をした二人目だけが助かりました。
慎重になりすぎるあまり、リスクを恐れすぎて何も行動をしない状態でもうまくはいかないし、あまり大胆になりすぎても失敗する。
どこが適正かを知るためには船に置いていかれない状況でフルーツを食べる乗客のように
船が見える位置で行動することがよい。
そのためには、素早くリスクを計算して考える鍛錬を積むしかない。
柔軟に頭を使って考えてみることで選択肢が見つかるようになります。
例えば日本のことわざの「石橋を叩いて渡る」を考えてみます。
石橋は叩いて確認してもやっぱりリスクがあるから渡らない人もいますよね。
どこまでの事前準備をすれば、どこまでの成果が得られるのかという関係が伝わっていないから判断しづらいのかもしれません。
石橋は崩れないから叩かなくてもよいと考える
判断しなくてはならないのは、その橋が腐った木製の橋か丈夫な石でできているのかを調べることです。
ユダヤ人は頭の中でどう考えるのか?
日本の場合は大きな困難に直面しそうなときは、「山より大きな猪は出ない」という言い方で不安を和らげようとします。
ユダヤでは
最初からいたずらに心配したり不安になるのは損だと考えます。
「猪は必ず飛び出してくる」
と事前予想を立てておきます。そして調査をおこなう。
リスクを考えて正確な状況判断を考えることを学んでいます。
資産形成を考えるヒントになる
インフレが起きている日本でリスクを恐れて銀行に貯金をしている人も多いのではないでしょうか。
リスクをとらないといけないわけではありませんが、
老後の生活資金を考える上で
リスクを考えて正確な状況判断を考えて資産形成をしていきましょう。